本文へジャンプ

2008年5月7日 更新 香川の老舗

技と伝統を守り、進化する新時代の提灯「讃岐提灯」-三好商店 携帯できる灯り「提灯」。今では祭礼の際に用いられたり、飲食店などの看板に使われることが多いが、香川には古くから「讃岐提灯」が伝えられてきた。そしてそれは香川の伝統的工芸品の一つに数えられる独特のものである。

讃岐ならではの灯り「讃岐提灯」

高松市藤塚町の三好商店は、1610年の創業以来、讃岐提灯作りに携わってきた。11代目となる三好正信さんは「讃岐提灯は10世紀以前、四国八十八ヵ所参りの奉納提灯をルーツに発生したといわれています」と話す。神社仏閣に奉納された提灯は、寺社特有の図柄や文様を描き、色鮮やかに飾られた宝物だった。またそのころのものに「折提灯」という提灯もある。現存する日本最古のもので、巡礼者が考案した実用の灯りという。「巡礼中に使ったと考えられます。そしてその技法は現在も進化して新しい形が生まれています」。

提灯を制作中の三好さん。提灯はまずデザインを決めたら木型をくみ、竹ひごをかけ、和紙をはる

その技は、一子相伝

時代とともに四国八十八ヵ所参りは盛んになり、四国には各地の提灯が入ってきた。それは提灯製作の技が集約されたことでもある。江戸時代初期、三好家初代によって考案された技法に「祈願讃岐一本掛提灯」がある。殿様が奉納するための祈願提灯として生まれたもので、一本の竹を切らずに三重作りの提灯を作るという特別なものだ。一番内側の提灯には願いを伝える龍神を、その外側には「経」や「祝詞」「願い事」を、そして一番外側には図柄や模様などを施す。この技法は一子相伝の技法として現在まで引き継がれ、守り抜かれてきた。三好さん自身、先代から提灯作りの手ほどきを受け始めたのは7歳。それ以降様々な修業を重ねた。分業が普通といわれる提灯製作だが、讃岐提灯は違う。「技術を継承した者が、すべての工程を一人でこなし、完成させるのです」。

讃岐提灯は世界の舞台に

秘伝であった讃岐提灯は、現在、日本だけでなく世界でも紹介されている。そのきっかけとなったのは、1988年にオーストラリア・ブリズベンで行われた万国国際博覧会への出展だった。日本の代表として赴いた三好さんは「伝統は大切に受け継ぎながらも、提灯を21世紀の灯り、世界の灯りとして紹介したい」と強く感じたという。伝統的な技法がさらに進化し、竹ひごを折り曲げてつないでいく独自の技法「新讃岐一本掛け」も、今は様々な場所で公開している。また、誰でもが提灯作りを経験できるようにと進めてきた提灯作りの「キット」も、完成を迎えようとしている。「新しい時代に求められる灯りとして、讃岐提灯を作っていきたいですね」。

三好 正信

  • 1947年生まれ
  • 1975年讃岐提灯11代目を継承する
  • 1996年香川県伝統工芸士に指定
  • 有限会社三好商店11代目

三好商店

設立 1610年
住所 高松市藤塚町1-13-10
電話 087-831-8008

ページ先頭へ

ページトップへ戻る