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2008年12月4日 更新 香川の老舗

105年間で培ったブランド力と信用を経営資源に、古材や特殊材でニッチ市場を開拓-塚田木材 創業105年。自社ブランド「古材日和」の古材をはじめとする五つの商材で新規事業を興し、ニッチ市場を開拓。4年で軌道に乗せた。優れた経営感覚で事業を立ち上げ、独自のノウハウを構築している、専務取締役の塚田浩之さんに話を聞いた。

家業再生を目指し、新規事業に着手

「困った時は、塚田木材に電話すれば何とかしてくれる」。一般建築材をはじめ、古民家から回収した古材(ブランド名「古材日和」)や輸入のデッキ材も販売する塚田木材(株)。大手が扱わない特殊な商材を手がけ、工務店や設計士、大手建材商社などから件のように頼りにされている。
1903(明治36)年、琴平で製材工場として創業した。社屋の火災を機に1926(昭和元)年、坂出市に移転。当初は地場の木材を使い、製材業を行っていた。

父親である社長のもとで実質的に経営を担うのは、5代目となる専務取締役 塚田浩之さん。兼松(株)でIT関連の仕事をしていたが、2002(平成14)年に東京から帰郷し入社した。建築用木材の需要減、海外製材品の流通増などで製材産業は斜陽化の一途。当時、製材業者は存続すら危ぶまれるような状況だった。
「家業は尻すぼみの状態。生きる道は自分で探さねばならない、模索の毎日でした。そこで始めたのが古材の販売です」。2004(平成16)年、塚田さんは古材販売の新規事業を立ち上げ、2年後には特殊な輸入材の市場にも参入した。

古材販売に独自のノウハウ

「古材の個性や存在感には深みがあり、柱一本でもあると空間が引き立ちます。塚田さんとはインテリア好きという共通項もあり、現場を一緒に楽しめるブレーンのような存在です」と話すのは、県内で活躍するインテリアデザイナーのLEE PLANNING 三好里香さん。古材はデザイン性の高い建築や内装によく用いられ、取引先にはインテリアや店舗のデザイナー、設計士も多い。工務店も交え彼らとプロジェクトを組むこともある。
「デザイナーさんや設計士さんとの仕事では、うまく感性を合わせていかないと古材は売れない」と塚田さんは言う。東京時代にはデザイナーズレストランに足繁く通った。その“趣味”が今、役立っている。一つひとつ異なる表情を持つ古材。相手の求めるものを的確に提供する。
古材はそのまま使えない。三好さんは「塚田さんの古材は現場で使えるように加工されていて、それも同業他社には無いところ」と評価する。県下でも数台という大型製材機を備え、自在にスピーディに加工できるのも強みだ。

販路はインターネットで開拓

「いまは売り込みに行く時代ではない」と塚田さん。新規事業で扱う商材ごとにホームページを立ち上げ、販路はネットで開拓する。獲得した顧客数は4年間で1500を超す。
「文言、写真、レイアウトもすべて自分で手がけ、感性やセンスを全部押し出す。それに共感する人が来てくれたらいい」。商品ラインナップや使い方も明示し、需要を掘り起こす。県外客が8割。東京を中心に、商圏は全国に及ぶ。「ブログには『東京に行ったんですよ』とか書いて、香川との距離感を縮める工夫もしています」

継続=ブランド力、信用

古民家再生ブームで古材も注目が高まり、需要も増えた。新規事業の売上は全体の3分の2を占めるまでに成長した。ニッチ戦略が奏功し収益力もぐんと向上した。

しかし、順風満帆だったわけではない。新規事業を探り1年半、試行錯誤を続けた。兼松のつてでIT機器も販売してみた。そこそこ売れたが、販売先から「上司が『材木屋から買って大丈夫か』と心配している」と言われた。その言葉で、「新規事業を増やしても、主軸(木材)から外れてはいけない。100年の材木屋としての実績が塚田のブランドと信用になるんだ」と塚田さんは気づいた。 「お陰様で新規事業は順調だが、その裏側には100年の歴史があったことを忘れずに。200年を目指して、継続していかなければ。たとえ1人になってもまず続けていくことが大事だと思っています」

目指すは“ゆるやかな”業務提携

自社で対応しきれず、関東に提携先を設けた。その提携先に対して、「看板は不要。うちの商品を自社ブランドで売っても構わない」と制約を設けない。県内では、古材を求めて訪れた店舗や住宅の施主を、設計士や工務店に紹介する。「提携しても契約書は作らず、“ゆるやかな”提携を目指しています。周りの一生懸命やっている人たちがみんなで潤って、ハッピーになれたらいい」

ハイスキー食品工業

  • 1903年 塚田製材所創業
  • 1926年 本社を坂出市に移転
  • 1947年 塚田木材(株)設立
  • 1995年 塚田武尚さん(現社長)代表取締役社長就任
  • 2002年 塚田浩之さん入社、専務取締役に就任
  • 2004年 古材事業開始
住 所 坂出市富士見町1-2-19
電 話 0877-46-2775
資本金 2000万円
売 上 非公開
従業員数 6人

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