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2010年1月7日 更新 かがわ経済ナビ

企業継続の要件について 新しい年を迎え、心も新たに社業に取り組まれていることと思います。まだまだ厳しい経営環境が続いていますが、今回は、「企業継続の要件」について私なりに整理してみました。

1.信頼性の確保

経営の要素として、人・もの・金(その他にも情報・時間など)とよく言われます。企業としての信頼性は人・もの・金に係る信頼が積み重なり相乗的に産み出されるものだと思います。

(1)人的信頼性

  1. 経営者
    経営者としての、 信条、理念、見識、徳
    情熱、先見性、ビジョン、構想力、企画力
    行動力(過去、現在、将来)、責任感、勇気など

    今の時代を生き抜くのに必要な経営者の資質とは何でしょうか。
    「勇気と自己責任」
    経営者としての勇気は、事業拡張に向けての勇気とともに、事業縮小の勇気(例えば、人員削減など)も必要です。そしてすべての結果を自己の責任として受け入れることも勇気です。
  2. 後継者
    創業者「ゼロ」から形ある物を生み出す「力」を持っています。「無から有へ」の発想力とエネルギーを持つという特性に優れた人達です。まさに起業家です。
    次の後継者の特性は、1のものを守る、あるいは1を10へ(さらに100へ)拡張していく「力」を持ち、組織を防衛、維持、拡大していく実行力と企画力を必要とする人達です。
    創業者と後継者の比較をよく言いますが、両者は違った能力が求められますので、本来は比較すべきではないのです。
  3. 社員
    個人の能力開発や自己実現と企業の発展とが一致できるような企業でありたいものです。
    この場合の社員は正社員だけでなく、パート・アルバイトも含みます。パートが正社員以上の働きをする優良企業もいくつもあります。

(2)顧客からの信頼性

  1. 商品力、サービス力、技術力
  2. 価格
  3. アフターフォロー、クレーム対応力
  4. ブランド力、老舗、のれん

顧客からの信頼性が崩壊した事例は最近だけでも多数あります。老舗料亭や老舗土産物屋の偽装表示、商品産地偽装、粉飾決算と虚偽監査証明、循環取引、顧客リストの漏えい、不正貸付、顧客貯金の横領など。(敢えて個別名を記載しなくてもおおよそ分かると思います。)
信頼を築きあげるのには長い年月がかかりますが、崩壊するのは一瞬の間です。我々の業界では、粉飾決算と虚偽監査証明事件で顧客からの信頼を失った結果、2002年のアーサーアンダーセン、2007年の中央青山監査法人が消滅しています。

(3)財務の信頼性

  1. 決算の透明性
  2. 資金力、担保力
  3. 金融機関との良好な関係

安定した収益力と健全な財政状態を確保できれば何も問題はありません。しかしながら常に事業が順風満帆とは限りません。「雨が降った時に傘を貸してもらえるような会社」にならなければなりません。ここでいう「財務の信頼性」とは、厳しい状況でも信頼してもらえるか否かという意味です。
(財務の安全性、収益力、キャッシュフローなどの説明についてはビジネス香川5月6月を参照してください)
金融機関からの信頼を確保するには、継続的に経営方針、事業計画、決算書を開示し経営者としての説明責任をきちんと果たしておく必要があります。

(4)地域からの信頼性

  1. 地元活動(経済界、各種団体、ボランティア活動など)
    会社は地域における重要な構成員です。企業としての社会的責任を果たしていく必要があります。地球規模での環境対策から地域での清掃活動など身近に取り組むことは沢山ありそうです。

(5)家族からの信頼性

昨年鳩山首相と谷垣総裁ともに「絆」という一字を示しました。夫婦、家族という最小単位の信頼を保つことが肝要です。経営の根底に「夫婦の絆」を最重要の一つとして重視している経営者も多くいます。

2.企業体制の確立

(1)経営理念、経営目的、経営計画

(2)人材育成

  1. 後継者の育成
  2. 人事・給与体系の整備
    人事評価と給与・手当等の処遇制度
  3. 社内諸規定の整備
    職務権限、就業規則など

(3)法令規則の改正への対応

  1. 会社法
  2. 労働基準法など

(4)リスク管理の在り方

  1. 法令順守(コンプライアンス)
  2. 内部告発の受入

これらは企業体としての仕組みとして整備しておく必要があるものです。人、もの、金、情報、時間などの経営要素を効果的に結びつけ、リスクを回避しながら、企業を一定方向に効率よく向かわせるための各種経営マネジメント手法です。これも時代環境に沿って整備し、その運用を間違わないようにしなければなりません。人を活かす仕組みにするか、人を縛る仕組みにするかは、その運用によって変わってきます。
具体的内容については、今後のに記載していきたいと思っています。

3.変化への対応

(1)本業と副業、副業と本業

これまで会社を支え従業員を養ってきた「本業」が元気な間に副業を育て、いくつもの種を植えておく必要があります。その中からいくつかの芽が出て「副業」として社員を養い企業としての活力が生まれます。万一本業が衰退すれば、副業が会社の中核事業となることもありえます。
また、本業にこだわり他の会社が淘汰されるまで耐え忍ぶのも選択肢の一つです。

(2)自立

どうすれば残れるか?耐え忍ぶ力とは?・・・共通していることは、「自立」であると考えます。すなわち、信ずる後継者がいること、人が真似できない技術力や商品力があること、借入金が適正金額以内であること、人財を大切にすることなど。
激変する経済環境の中で生き延びていくことは、並大抵のことではありませんが、人を頼った仕組み(人の面、物の面、金の面からみてどれか一つでも他人任せの部分があれば、いずれ崩れる可能性があります。)から自立した仕組みへと、いかに脱皮していくかだと思います。

4.収益力の確保

社員一人当たり粗利1,000万円を稼ぐ仕組みがあれば、必ず生き残れます。もちろん、上記の自立した企業体であること、又はそれを目指していることが前提ですが、会社の大小、社員の多少、売上高の多少、業種業態、職種などは関係ありません。
リストラにより社員の削減を行わざるを得ない企業が多いのですが、その前に社員一人が1,000万円(地方では700万円でも利益は出せます)稼ぐ方策を考え出さない限り、何時まで経っても売上高の減少・経費削減の連鎖は断ち切れません。

5.目標達成に向けて

本年も皆様ご自身で設定された目標に向かって邁進していってください。

大西 均総合経営研究所
公認会計士・税理士 大西 均

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