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2010年3月18日 更新 かがわ経済ナビ

2010年度税制改正~法人税について 2010年度予算の年度内成立がほぼ確実となりました。ここで気になるのが2010年度税制改正です。所得税、贈与税については前回までで少し紹介しましたが、今回は法人税に係る改正点を整理しておきます。

(1)グループ法人税制

1. 2010年4月1日以降開始する事業年度から適用

資本金の額等が5億円以上の法人の100%子会社は、中小企業特例措置が受けられなくなります。

  1. 法人所得800万円までの軽減税率18%が適用できずに、通常税率30%が適用。
  2. 特定同族会社の特別税率の不適用。すなわち、一グループの株主が50%超保有している場合に当期所得のうちの一定額以上の留保金額について10%から20%の特別税率の税金が上乗せになります。(いわゆる、留保金課税)

2. 2010年10月1日から適用(事業年度に関係なく、10月1日の取引から対象)

  1. 完全支配関係がある法人の間の資産の譲渡取引等

100%グループ内法人間で、一定の資産を移転した際に生ずる譲渡損益について、課税を繰り延べる。一定の資産とは連結納税制度における「譲渡損益調整資産」(簿価1000万円以上の固定資産、棚卸資産である土地等、有価証券、金銭債権等)と同じです。
従って、親会社が保有する含み損のある遊休地を100%子会社へ売却しても、子会社が第三者へ再売却しない限り、売却損は繰延されます。
同一オーナーの兄弟会社もグループ法人税制の対象となりそうですので、注意しておく必要があります。

(2)連結納税制度

1. 2010年4月1日以降開始する事業年度から適用

連結開始又は加入前の連結子法人の繰越欠損金について、一定の条件下で、繰越控除の対象となる。

2. 2010年10月1日から適用

連結納税の承認申請書の提出期限は、適用開始事業年度の開始の日の3月前となる。(現在は6月前)

(3)法人税関係の租税特別措置

2010年4月1日以降終了する事業年度より廃止となる。
一定のオーナー企業の役員報酬の一部(給与所得控除額相当)について、法人の損金に認めないとする極めて評価の悪い税制がやっと廃止になりました。
但し、個人事業主と企業の課税の不均衡(ビジネス香川4月(1)参照)の是正については2011年度税制で講じられる可能性があります。

(4)法人税関係の租税特別措置

1. 延長されたもの

  1. 中小企業投資促進税制(中小企業者が機械等を取得した場合の特別償却)
  2. 中小企業者等の少額減価償却資産(30万円未満)の取得価額の損金算入特例(上限300万円)
  3. 交際費の損金不算入と中小法人の損金算入特例(560万円の損金算入枠)
  4. 使途秘匿金の課税特例
  5. 中小企業者等の欠損金の繰戻しによる還付措置 など

2. 2010年3月で廃止になるもの

  1. 情報基盤強化税制 など

(5)消費税関係

1. 事業者免税点制度の見直し

課税売上高1000万円以下の事業者は免税事業者として消費税の納税義務が免除されます。その代わり課税仕入れに係る消費税額等も控除されませんので、建物や大型機器等の設備投資を行い課税売上高よりも課税仕入れのほうが大きい場合でも消費税額が還付されません。このような場合は、「消費税課税事業者選択届出書」を提出し課税事業者になることによって消費税等の還付を受けることが可能となります。その後、免税事業者に戻る場合は、「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出する必要がありますが、2年間は課税事業者である必要があります。

今回の改正は、この2年間を3~4年間に延長するとともに、課税期間における簡易課税制度の適用を受けられないようにする見直しが含まれています。

これは免税事業者が「消費税課税事業者選択届出書」を提出し課税事業者になったのち賃貸マンションを購入し消費税の還付を受け、その後の課税事業期間は簡易課税制度の益税部分の恩恵を受けた後、「消費税課税事業者選択不適用届出書」により、元の免税事業者に戻る等の節税スキームに対する措置であります。

今回の改正の中には、過度な節税スキームに対する措置が随所に組み込まれています。善良な納税者からみると迷惑な話ですが、税制として措置されてしまいましたので、慎重な対応が必要となります。

大西 均総合経営研究所
公認会計士・税理士 大西 均

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