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2010年5月7日 更新 かがわ経済ナビ

役員と会社間の土地賃貸借について 役員個人の土地を賃借し、会社が店舗や事務所等の建物を建てる場合に発生する借地権についての税務上の課税関係について説明します。

借地権の取り扱い

借地権の設定に際し、その設定の対価としての通常権利金その他一時金(以下「権利金」という)を支払う取引上の慣行がある地域(A)と、借地権の設定に際し、その設定の対価としての権利金を支払う等の借地権の取引慣行があると認められる地域以外の地域(借地権価額の評価はしない)(B)とがありますが、ここでは(A)地域を前提としています。

(1)借地権設定時

【1】通常の権利金を収受しない場合

1. 相当の地代を収受する場合

個人地主、法人借地人ともに課税関係なし
相当の地代とは、更地価額の6%(年率)程度の地代である。更地価格は、公示価格あるいは路線価又はその過去3年間の平均により算出します。
ただし、6%の地代水準は現状の経済環境からはかなり割高な水準となる場合があります。

2.相当の地代を収受しない場合

  1. 個人地主は課税関係なし
  2. 法人借地人は借地権の認定課税のおそれ有り

なお、無償返還届出書を提出した場合は、借地権の認定課税は無い。

(2)底地・借地権の譲渡時

  1. 個人地主は底地の譲渡
  2. 法人借地人は借地権の譲渡

したがって、土地(個人所有)建物(法人所有)を一括して譲渡した場合には、土地部分については底地部分が個人の譲渡となり、借地権部分が法人の譲渡となります。

(3)借地権の返還時

老朽化した建物を取り壊し、立退き料なども無く借地権が消滅した場合には、借地権相当額の贈与として役員への課税問題が生じる恐れがあるため、注意が必要です。

(4)底地・借地権の評価

1.相当の地代を収受する場合

当初の相当の地代を据置く事により、借地権の自然発生ありの場合

  1. 個人地主の土地は底地として評価(自用地評価額ー借地権価額)
  2. 同族会社の株価評価上、借地権を含めて評価

2.相当の地代を収受しない場合(無償返還届出書を提出済みの場合)

  1. 個人地主の土地は、自用地評価額×80%で評価
  2. 族会社の株価評価上、自用地評価額×20%を含めて評価

地主である役員の課税関係の事例

役員個人の土地を同族会社に賃貸し、法人が事務所として建物を建設し所有している状態が長期にわたり継続、自然発生的に借地権が生じており、地代水準も路線価評価額の概ね3%程度の水準である場合

【1】所得税・・・地代としての不動産所得
【2】土地評価・・・底地評価として更地評価の50%
【3】同族会社の自社株評価・・・借地権評価額(自用地評価の50%)が自社株評価に算入される。なお、自社株を後継者に贈与済みであれば、自社株評価上の影響を受けないことになります。

したがって、役員所有の土地が50%評価に抑制された状態が維持できていることになる。
ただし、建物を取り壊し更地として役員へ返還する場合は、要注意です。

借地権の取扱いは地域や個々の事案により異なりますので、事前の十分な検討が必要となります。

大西 均総合経営研究所
公認会計士・税理士 大西 均

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