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2010年5月20日 更新 かがわ経済ナビ

将来の地域医療・福祉を目指して 救急患者を乗せた防災ヘリコプターが夜の瀬戸内海の上空を飛んでいる。小豆島からの救急搬送はこの5年間で74回に及ぶそうだ。そして、四国山地の懐深くにある高知県の村では、道程90kmの日本一遠い訪問介護が行われている。

瀬戸内海に浮かぶ島々には、香川・愛媛の両県で約4.5万の人々が暮らし、四国の山間地では、迂回路のない谷筋などに人々が暮らす過疎の集落が点在する。

四国には、全国に比べ多くの医療・福祉施設があるが、糖尿病、心臓・肝臓・呼吸器系疾患や乳児の死亡率などは全国に比べ高い。医師、看護師は中心部に集中しており、香川県の場合、小豆島や県土の東西両翼の地域では不足するなど地域的な偏在がある。そして、産科医の減少、高齢化が著しく、産科・小児科医の更なる不足が懸念される。

また、特別養護老人ホームの入所待機者数は、全国で約42万人、そのうち四国は約1.2万人。

香川県では、三世代同居率、高齢者の居る世帯割合は全国の比率より高い一方、共稼ぎ世帯割合も全国より高く、仕事と家庭内での完全介護を両立することが難しい家庭も増えている。東京都心の一等地に林立する大使館の傍に介護施設があるように、四国の市街地でも、子どもたちから離れて介護施設で暮らすお年寄りが増える傾向にある。

認知症高齢者の増加、要介護者の重度化などから、介護サービスの量的拡大と充実は大きな課題だが、介護現場では、介護職員の離職率は年間2割を超えるなど人材不足が深刻だ。

今、各医療圏で緊急医療機能を強化するために中核病院の整備などが進められているが、少子高齢化が全国で最も早く進む四国地域には、将来の地域医療・福祉のあり方を提案する幾つもの取り組みがある。

香川県医師会では、インターネットを通じてCT/MRI/PET等の画像読影、患者紹介、画像撮影依頼、処置内容・経過報告などを行う医療情報ネットワークが全県的な規模で運営されている。

香川大学医学部の先生の協力を得ながら、民間IT会社が開発したネット・システムが、岩手県の山間部、島しょ部を抱える北海道、島根県など全国各地における遠隔地の周産期医療を支えている。

また、四国山地の限界的な集落が進める地域資源を活用した地域づくりが全国的にも注目されているが、高齢者が欠かせない力となっている。

そして、まちづくりの中では、子育て支援をするNPO法人が介護施設との連携を計画する動きなどもある。

国による持続可能な社会福祉制度の設計が急務だが、四国における様々な取り組みは、ドクターサーフィンとも称される医療の専門化が進む中で、広く我々が、医療・子育て・福祉の情報を一元化して、ホームドクター的なサポートを受けながら、住み慣れた地域で生きがいを持って暮らし、健康で長寿の人生を送る環境の整備に資するものと思われる。

四国財務局長 河野 邦明

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