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2010年5月20日 更新 かがわ経済ナビ

自社株評価は一物六価 株式上場会社の株価は市場で価格決定されますが、未公開株式の株価の時価は株主や取引の状況で異なる場合があります。特にオーナー経営者にとって自社株の評価額は、自社の経営・事業承継・相続・贈与、さらにM&Aなど様々な局面で問題となる場合があります。今回は、未公開株式評価の基本的な仕組みを説明しておきます。

1.自社株評価の分類(概要)

相続・贈与に際して 原則的評価
  1. 類似業種比準方式
  2. 純資産価額方式
  3. 上記価額の折衷方式
特例的評価 配当還元方式
合併、M&A等の
企業評価
キャッシュ・フローに着目 ディスカウント・キャッシュ・フロー法(DCF法)
収益性に着目 収益還元法
株式譲渡に際して(法人税、所得税) 原則的評価 時価評価
なお、相続税財産評価基本通達に準じて評価も可能。ただし、取引態様によっては部分的な規制があるので要注意。

2.同族会社における株主別評価方法(相続・贈与に際して)

評価適用区分 同族株主のいる会社 同族株主のいない会社
原則的評価 同族株主(持株比率30%以上)(A) 持株割合が15%以上の株主グループに属する株主(D)
特例的評価 同族株主のうち、持株比率5%未満、かつ、中心的な同族株主がいる場合で、中心的な同族株主でも役員でもない株主(B) 上記株主グループに属する株主のうち、持株比率5%未満、かつ、中心的株主がいる場合で、中心的株主でも役員でもない株主(E)
同族株主以外の株主(C) 持株割合が15%未満の株主グループに属する株主(F)

3.具体的な適用例

A. 一般的にはオーナー経営者一族で株式保有割合が30%以上の株主(又はそのグループ)

B. オーナー経営者の親族ではあるが、配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び1親等の姻族ではなく、役員でもない5%未満の株主

比較的歴史の古い会社で株式が類代にわたり親族に相続され分散している場合には、親族でも特例的評価となります。

C. オーナー経営者一族ではない30%未満保有の株主

例えば、幹部役員や社員としての株主、従業員持ち株会など。

D. 同族色が薄れ、30%以上の株主グループが無い状態で、15%以上の株式を保有している株主(またはそのグループ)

E. 持株割合が15%以上の株主グループに属する株主のうち10%以上有する株主がいる場合で、役員でもない5%未満の株主

F. 15%未満保有の株主

例えば、幹部役員や社員としての株主、従業員持ち株会など。

4.原則的評価と特例的評価の違い(一株額面(旧)50円として例示)

区分 評価方法 金額例示 備考
原則的評価 類似業種比準方式(1) 1000円 一株当たり利益額の高い会社は割高となる場合が多い。
類似業種比準方式(2) 150円 臨時的損失(退職金、固定資産売却など)により赤字となる場合は評価が下がる。
純資産価額方式 2000円 自己資本比率が高い場合や固定資産の含み益が多い会社ほど高い。
上記価額の折衷方式 1500円 類似業種比準価額と純資産価額の平均値(その比重は規模により異なる)
特例的評価 配当還元方式 50円 1割配当の会社の場合は額面金額と同額である。無配の場合は額面金額に半分とされている。

大西 均総合経営研究所
公認会計士・税理士 大西 均

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