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2010年6月17日 更新 かがわ経済ナビ

経営はどこまで学べるのか 先般、建設業関係の中小企業経営者と話をする機会があった。公共事業等の大幅な削減等で需要は大きく減退し厳しい経営環境が続いているようだ。国土交通省は様々なセミナーを開催して、建設業関係者の新事業への積極的取り組みを支援している。役所や大手ゼネコンからの注文を確実に実行していれば長期安定的な需要が見込めた時代から、自前で事業を創造することが必要な時代になったということだろう。建設業のみならず多くの中小企業が現在この課題に直面している。

だが、経営はどこまで学ぶことができるのだろうか。もし経営というものが、修羅場の体験を通してしか学べない属人的なノウハウであるならば、大手の注文を確実に実行することに邁進してきた経営者が、新しい事業を創造できる可能性は少ないと言わざるをえない。

しかし宅急便を創始したヤマト運輸の小倉昌男氏は「経営は論理の積み重ねである」と言う。ヤマト運輸はデパートの配送業務から個人向け宅急便へと事業を転換したのだが、その際ほとんど全ての経営幹部は反対した。宅急便はデパートの配送業務以上にコストがかかり採算が取れないというのが当時の常識だったからだ。だが小倉は理詰めで、デパートの配送業務と宅急便は似て非なる事業であることを明らかにし、宅急便事業は必ず成功するという確信を抱いていたという。

これは福音であろう。もし経営が論理の積み重ねであるとするならば、かなりの部分を座学で習得できるからだ。とはいえ、経営には論理を超えたところで、経営者の価値観や世界観に根ざした直感に依存するところが大きく残るのもまた事実である。だがそこに至るまでのかなりの部分を論理的思考でカバーできるのではないだろうか。

欧米の主要先進国のみならず、最近では韓国、ベトナム等のアジア諸国でもビジネススクールが盛況なのはそのような理由による。四国で唯一のビジネススクールとして、香川大学大学院地域マネジメント研究科もまた論理的思考のお手伝いをしたいと切に願っている。

香川大学ビジネススクール 教授 柴田 友厚

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