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2010年6月17日 更新 かがわ経済ナビ

役員の退職金について 6月は株主総会の時期(3月決算の場合)でもあります。そこで今回は、役員退職慰労金を支給する場合についての留意点を整理してみました。

(1)役員退職金を支給する場合における損金算入時期

役員退職金を支給する場合 損金算入時期
退任の場合 役員の任期満了、辞任等による退任
  1. 確定した日(株主総会の決議等)
    または、
  2. 支給した日(損金経理必要)
死亡による退任 同上
退職に準ずる事実が生じた場合
  1. 常勤役員が非常勤役員になった場合
  2. 取締役が監査役になった場合
  3. 分掌変更後の給与が激減(概ね50%以上の減少)したこと
(実質的に経営上の主要な地位を占めている者は、上記条件を満たしていても除かれますので注意が必要です)
退職給与として支給した場合(この場合において未払金での退職金処理は原則として認められないので注意してください)

(2)適正な役員退職金額

不相当に高額な役員退職金は損金になりません。相当と認められる退職金の額とは、1. その法人の業務に従事した期間、2. 退職の事情、3. 業種規模からみて類似する法人の役員退職金の支給状況等を総合的に勘案して判断します。一般的には、役員在任年数×月額報酬×役員功績倍率で計算した金額を基準とします。特に、役員在任年数が長期化しているオーナー社長(会長)の場合には、金額が多額になる場合がありますので、役員退職金規定の整備と退職金原資の手当てが必要となります。

(3)役員退職金引当金(負債の部)又は役員退職金積立金(利益剰余金として)を取り崩しての支給について

従来は役員退職金の損金算入は「損金経理」を条件としていましたので、借方 役員退職金(経費または損失科目)○○○円 貸方 現金預金○○○円として会計処理を行う必要がありましたが、2006(平成18)年度より、役員退職金引当金を直接取り崩しての処理も認められるようになりましたので、借方 役員退職金引当金○○○円 貸方 現金預金○○○円として損益に影響させない処理も可能となりました(この場合は法人税申告時に申告減算し損金として調整する必要があります)。

ただし、上記は株主総会決議により確定した日の事業年度に支給する場合ですので、株主総会の決議を経る前に取締役会等で決定し支給して決算を迎えるような場合は、損金経理が必要となります。

(4)役員退職金と課税関係

  生前退任 死亡退任
受取人の課税 所得税(本人)
(退職金額-退職所得控除額)×1/2=退職所得(分離課税)

退職所得控除額は、20年までは40万円×勤務年数、20年超は800万円+70万円×(勤続年数-20年)となります。
相続税(相続人)
  1. 死亡後3年以内に支給が確定したものは、みなし相続財産として課税(但し、500万円×法定相続人数までは非課税)
  2. 弔慰金は福利厚生費となり退職金ではありません。業務上の死亡の場合は通常給与の3年分、その他の死亡の場合は3月分が弔慰金として扱われますので、支給時には区分して支給する必要があります。
  3. なお、死亡後3年経過後に確定したものは、支給を受けた者の一時所得
支給法人 過大部分は、損金不算入
相当額が損金算入
源泉所得税の徴収義務あり
退職金と弔慰金(福利厚生費)のいずれも相当額が損金算入できます。過大部分は損金不算入。
みなし相続財産ですので、源泉徴収の必要はありません。
消費税 課税仕入れには該当しません。 退職金と弔慰金ともに、課税仕入れには該当しません。
大西 均総合経営研究所
公認会計士・税理士 大西 均

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