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2010年8月19日 更新 かがわ経済ナビ

帰省ラッシュ お盆の帰省ラッシュの季節である。鉄道、飛行機、そして高速道路も連日大混雑。高松でも、駅や空港で孫を出迎え、見送るおじいちゃん、おばあちゃんの姿が報道されている。

しかし、この光景、いつまで続くのだろうか?言うまでもないことだが、”帰省“は、大都市圏に住んでいて故郷(地方)に戻ろうとする人と、故郷で受け入れる親類の双方がいてはじめて成り立つ。

国勢調査で、東京圏(1都3県)への人口集中の流れを見ると、1950年に0~4歳だった世代(”団塊の世代“を含む)は、この年全体の14.9%が東京圏に住んでいた(四国4県5.1%、香川県1.1%)が、2005年には26.6%が集まる(同3.4%、0.9%)。約12%、100万人超が故郷を離れたのだ。1975年の0~4歳世代(”団塊ジュニア“を含む)は、同年25.6%(同3.2%、0.8%)、2005年30.7%だ(同2.8%、0.7%)。現在親とともに帰省している2005年の0~4歳は、26.0%が東京圏在住である(同3.0%、3.8%)。

団塊の世代は親の元に、団塊ジュニアは親や祖父母の元に帰省してきた。今の子どもたちは高齢の祖父母や親戚を訪ねているわけだが、次の世代はどうなるのだろうか?受け入れ側の縮小は避けられまい。

帰省ラッシュがなくなることが問題なのではない。筆者は、それによって、大都市圏に住む人々から地方についての実感、そして共感が失われることを恐れる。

帰省によって、都会住まいの家族、特に子どもが、セミ取りや川遊びを通じて地方の自然のすばらしさを体感し、楽しい思い出を作ることの意味は極めて大きい。今時の子どもは冷房の効いたショッピングセンターで遊ぶのかも知れないが、祖父母の愛情に触れ、地方の雰囲気を直接知ることはやはり重要である。観光旅行とは違うのだ。

皮膚感覚で地方を知る人の減少は、数字のみで地方を語る人の増加につながる。そして数字はしばしば無機的な”効率“に還元される。彼らが有権者の多数を占める時こそ、真の意味で地方の危機であろう。

地方は、そして四国、香川県も、その時に備え、自らの価値を証明する努力、さらにそれを全国に発信する努力を怠ってはなるまい。

日本政策投資銀行 四国支店長 藤田 寛

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