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2010年8月19日 更新 動向リサーチ

2009年度、四国地区年商100億円企業 企業数大幅減、売上不振の深刻さを浮き彫り
経営努力により増益なるも、依然、環境改善は弱含み

【凡例】

  1. 四国地区に本社を置き、年間売上高100億円以上を対象とする。
  2. 対象決算期は2009年度(2009年4月から2010年3月期)
  3. 銀行、リース、農協、漁協、協同組合、青果市場、魚市場などはデータの特色を出すため、対象外とした。
  4. 上場企業は☆印、税込利益は※印、欠損は黒▲印、決算期変更による変則決算は◎印で表示。利益は原則として税引後利益は表記しているが、不明な場合など法人所得での税込利益を採用した。
  5. 弊社データベースを元に取材し、一部財務内容非公開企業については対象外とした。

四国地区に本社を置く企業のなかで、2009年度(決算期:2009年4月~2010年3月期)に100億円以上の年商を挙げたのは197社になった。前年同期が217社だったことからすると21社の大幅脱落、会社更生法など特殊事情により、ランキングから漏れたケースはあるが、全体件数の一割相当が売上高を大幅ダウンさせたことになり、リーマンショック後の景気低迷での売上不振、デフレ圧力など四国島内の経営環境の厳しさを浮き彫りにした。

四国地区100億円企業ランキングは、東京商工リサーチの四国地区5支社店が、1991年から2004年まで13年間連続で実施、その後、地区の経営環境を見るうえで、ひとつの指標とするため、08年に復活させたもので今回が16回目。なお、データの特色を出すため、銀行、リース、農協、漁協、協同組合、青果、魚市場など、売上高の性質が異なるものについては、対象外にしている。

09年度100億円企業197社が計上した総売上高は8兆1386億7100万円となり、前年比10.0%減(前年9兆330億6900万円)と大幅減収になった一方で、収益は1000億200万円、前年比387.7%増(前年205億2500万円)と大幅増益になった。

一昨年のリーマンショックからの脱出が期待された一年だが、この集計結果を見る限り、回復への確かな足取りを見出すに至らない。そのなかでの収益改善は、あの手この手の涙ぐましい経営努力の結果だと言えるだろう。輸出を軸にする大手企業で好決算発表が増えているのとは対照的だ。むしろ、穴吹工務店破綻の衝撃が記憶に新しい建設業界は依然として業況不振が継続、これまで四国地区の牽引役となっていた造船業界に陰りが出ており、エコ減税の恩恵を受けた自動車ディーラー、小売店などは制度終了後の反動を懸念、これに加えて中国での経済成長の鈍化、さらにかつてない円高基調が先行きを不透明なものにしている。四国地区企業にとって、これからが正念場と言って過言でない。

197社の内訳を見ると、増収となった企業は74社で、123社が減収、あるいは横ばいになっている。うち、増収幅が最も大きかったのが高松市の四国ドックで前期比82.9%増、続くのが四国中央市に本社を置くユニ・チャーム国光ノンウーヴンの同69.2%増、あいえす造船の同67.8%増。また、増益企業は106社あり、減益、または横ばいとする企業は91社。赤字企業は31社あった。増益幅の大きい企業は、今治造船で前期から205億、次に四国旅客鉄道で、前期から105億円の増額、好調なユニ・チャームも49億円の増額になっている。増収増益企業は、49社に留まった。増収増益企業はジャストシステム、新来島どっく、日本食研ホールディングスと続く。

県別に見ると、香川県は69社で、前年の79社から10社の減少、愛媛県は93社で、前年の107社から14社の減少、高知県は17社であり、前年18社から1社の減少、徳島県は18社で前年20社から2社の減少になっている。

初登場組では、松山市のネッツトヨタ愛媛が133位、今治市の伯方造船が156位、松山市のトヨタカローラ愛媛が175位、香川県観音寺市のユニ・チャーム国光ノンウーヴンが176位、高知市の明星産商が178位、鳴門市の富田製薬が197位と躍進した。造船業界やエコ減税の恩恵を受けた自動車ディーラーなどの好調ぶりが際立っている。

100億円企業、売上高ベストテン 不動のトップ・四国電力を今治造船が猛追

売上上位ベストテンを見ると、トップは四国電力で動かないが、2位の今治造船が猛追、その差は僅か95億円、歴史的なトップ交代の可能性も出てきた。3位には、前年4位の旭食品がランクアップ、4位は、長年に亘ってトップスリーをキープしていた大王製紙がランクダウン。5位は前年同様にフジ、6位にはマルナカが前年7位から躍進、7位には好調な新来島どっくが8位からランクアップ、8位には、6位からダウンした日亜化学工業が入り、9位は、ユニ・チャームが10位からアップ、前年9位のカナックスは10位になった。

業種別ランキング、トップは概ね堅持も、ベストスリーが微妙に変動

業種別に見ると、製造業トップは今治造船、2位の大王製紙も前年と同様だが、好調な新来島どっくが日亜化学工業を抜き去り、ベストスリー入り、丸住製紙がベストテンに入った。卸売業ではトップの旭食品は不動だが、ユニ・チャーム2位、3位カナックスと2位、3位が入れ替わった。医薬品卸の四国アルフレッサがベストテン入りを果たしている。通販・小売業はフジ、マルナカ、キタムラのベストスリーに変動はなかった。建設業は穴吹工務店が会社更生法により、再建中で財務の公開がなかったこともあり、四電工がトップ、扶桑建設工業が2位、四電エンジニアリングが3位となった。運送・レジャーその他ではノヴィル1位、キスケ2位、ロッキー産業3位とパチンコ業者がベストスリーを占めている。

株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 竹 茂和

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