本文へジャンプ

2010年9月2日 更新 かがわ経済ナビ

労働時間はきちんと管理できていますか? 労働基準法第32条第1項には1週間の法定労働時間について「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させてはならない」と規定されています(特例措置対象事業場除く)。また同条第2項には1日の労働時間について「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない」とあります。

したがって使用者(会社・個人事業主等)は、労働者の労働時間を時間外労働の有無にかかわらず、始業・終業の時刻を把握しなければなりません。厚生労働省では「労働時間の適正な把握のために講ずべき措置に関する基準」を定めて、使用者が行うべき措置を具体的に明らかにして、労働基準法が遵守されるよう指導しています。

使用者は、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認・記録しなければなりませんが、具体的な方法として〈原則〉はこのようになっています。

<原則>

  1. 使用者が、自ら現認することにより確認し、これを記録する。

  または

  2. タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、これを記録する。

通常タイムカードで労働時間を把握するケースが多いと思いますが、労働者の労働実態に応じて〈例外〉もあります。

<例外>

労働者からの自己申告により労働時間の把握を行わざるを得ない場合には、以下の措置を講ずること。

  1. 導入前に、対象労働者全員に、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどを十分説明する。
  2. 把握した労働時間と実際の労働時間とが合致しているか否かについて、必要に応じ実態調査をする。
  3. 適正な申告を阻害する目的で、時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じない。また、時間外労働削減や時間外労働手当の定額払い等の措置が、適正な申告を阻害していないか確認し、阻害している場合には、改善措置を講じる。

このように把握した労働時間の記録に関する書類は3年間保存することになっています。もちろん法定外労働時間には適正な割増賃金を支払います。

労働時間が法定労働時間を超えて、実態としてサービス残業になり適正な時間外手当を支払ってくれなかったと主張する労働者が、労働基準監督署に駆け込むケースが増えています。その時会社は反論する証拠として、きちんと労働時間を把握していたことが証明できないと裁判等になった時に何も主張できません。その結果、ひとりの労働者のサービス残業での時間外手当の支払いが認められると、他の労働者も主張してくるので、会社の資金繰りに影響し、最悪の場合、会社が倒れることもあります。会社を守るためにも、もちろん労働者の快適な労働環境のためにも労働時間をきちんと把握することが必要だと認識してください。

今一度、会社内で把握できているか、この基準を参考に確認されることをお勧めします。

社会保険労務士 玉岡 智博

ページ先頭へ

ページトップへ戻る