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2010年10月7日 更新 かがわ経済ナビ

「風立ちぬ」人を思う気持ちがイノベーションを生む 高松に赴任して2カ月。この間に140人の企業経営者の方々にお会いしました。1営業日当たり約3人ずつお目にかかったことになります。「日本銀行の支店長って毎日何しているのだろう」と疑問に思われる方も多いと思います。振り返ってみて、地元経済を支えているみなさんとお会いすることが、私の仕事の大きな部分を占めていることが改めてわかります。

140人の経営者の皆様と生産動向や設備投資計画、為替の影響等、色々お話をさせて頂く中で、元気な企業には2つの共通点があると思うようになりました。一つは「人」を大事にされていること。苦しい局面でも一緒に働く人を大切にし、また会社を発展させるために働いてくれる新しい人材を発掘し、育てることに社長自らが心を配られています。もう一つは、自社が提供する商品やサービスを点でなく面で捉える「お客様の視点」を持っていらっしゃること。日々の暮らしの中で商品が使われる様子を想像し、使い方の一工夫を併せて提案することで商品の付加価値をトータルで高めようと、日々研究開発に取り組んでいらっしゃる社長さんにお会いしました。

週末、日差しは強いものの風に秋らしさが感じられ、単衣の着物に秋色の帯を締めて文楽を楽しんできました。演目は「桂川連理柵」です。帯屋の主、長右衛門と、年が二回り以上も離れたお半との心中物です。心中物は、現代の我々の合理的感覚からは理解し難い部分もあります。なぜそんなことで死ななきゃいけないのかとなかなか腑には落ちないのですが、人形と義太夫、三味線が織りなす様式美で、進退極まった人間の姿を見せるところに芸の凄さを感じます。

ひたすらに合理性を追求する現代社会において、人を思う気持ちを大事にするところにイノベーションが生まれることを高松の2カ月で学びました。これからどんな出会いが待っているのか、今からとてもわくわくしています。

日本銀行高松支店長 清水 季子

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