本文へジャンプ

2010年10月7日 更新 かがわ経済ナビ

採用時に起きやすいトラブルと注意点 採用内定が取消しになる場合、内定者の事情による場合(卒業できなかった、体調が悪化した、など)と、会社の事情による場合(経営状態の悪化)とがあります。トラブルが発生するのは主に会社の事情による場合です。

1.採用内定取り消しについて

内定の段階でも、場合によっては労働契約が成立しているものとみなされ、会社側からの一方的な内定取消は解雇と同様の取り扱いがされることがあります。

解雇と同様の取り扱いがされるということは、その内定取消に客観的・合理的な理由がなければ、内定取消が無効になるということです。

会社としては、誓約書など内定者から提出させる書類に内定取消になる具体的な理由を記載しておき、内定者に十分に説明し納得を得た上で提出させる、といった対策を講じると共に、安易な内定取消が発生しないような慎重な採用活動を行っていく必要があります。

2.学歴・職歴の詐称

採用した労働者が学歴・経歴を詐称していた場合、解雇はできるのでしょうか?会社がその事実を知っていたなら採用しなかったであろうというような事柄(学歴、職歴、職務上必要な技能・資格、犯罪歴等、常識的にも重大な虚偽)であって、賃金等の待遇、配属等についての判断や評価を誤らせるような詐称があった場合には、解雇の対象となり得ると思われます。しかし、虚偽の内容が業務に支障のない場合や軽微なものである場合、解雇事由としては認められないケースもあります。また、経歴詐称を理由として懲戒解雇をするためには、懲戒解雇事由として就業規則に記載されていなければなりません。

3.試用期間中の解雇

多くの会社では正社員を雇い入れる際、能力や適性を見極める為に「試用期間」を設けていると思います。では試用期間中は解雇はいつでもできるのでしょうか?

試用期間の長さは、会社が自由に定めることができ、一般的には3カ月ほどが多いと思われます。労働基準法では、試用期間を14日以内と定めており、14日を超えて解雇する場合および試用期間満了で本採用しない場合は、原則として解雇と同様の手続きにより30日以上前に予告をするか又は平均賃金の30日分以上の手当てを支払う義務があります。トラブル回避のためには、本採用になる基準や本採用にならない場合などのルールを定め、説明することが望まれます。

4.労働契約法の施行

2008年3月施行の労働契約法第4条第1項では、「使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする」とされています。この規定がおかれた背景にも契約内容について労働者が十分に理解しないまま、労働契約を締結したり、変更したりすることが見られ、後にその契約内容について労働者と使用者との間において認識の違いが浮き彫りになり、労使トラブルに発展している場合が多くあったことがあるようです。やはり、そういったトラブルを防止するためには、ルールを作るだけでなく労働契約時にしっかりと伝えることが必要です。

5.労働契約締結時の労働条件の書面での明示

労働契約の内容である労働条件については、労働基準法第15条第1項により労働契約を締結するときに書面等により明示が義務付けられています。

書面により明示すべき事項は以下の5つです。

  • 労働契約の期間
  • 就業の場所・従事すべき業務
  • 始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働(早出・残業等)の有無、休憩時間、休日、休暇および労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
  • 賃金の決定、計算・支払いの方法および賃金の締め切り・支払いの時期
  • 退職に関する事項(解雇の事由を含みます。)
大西 均総合経営研究所
社会保険労務士 折原 麻衣子

ページ先頭へ

ページトップへ戻る