本文へジャンプ

2010年10月21日 更新 動向リサーチ

四国地区企業倒産集計 2010年度上半期(2010年4~9月) 件数 175件 前年度比 -5.4%(2009年度上半期 185件)
負債総額 35,495百万円 前年度比 -36.3%(2009年度上半期 55,710百万円)

特徴

  1. 倒産件数は前年度比5.4%減で、2年連続減。過去10年で9番目。
  2. 負債総額は、前年度比36.3%の減で、3年連続減少。過去10年で最少。
  3. 県別では、愛媛、徳島が増加。香川、高知が減少し、ややばらつきが目立つ。
  4. 業種別では、建設業が63件でトップながら、前年度比4.5%減。
  5. 原因別では、販売不振が103件でトップ。不況型倒産は前年度比6.30%減。

《概況》

2010年度上半期の四国地区企業倒産状況(負債総額1000万円以上、内整理を含む)は175件、負債総額354億9500万円であった。件数は、前年度比5.4%減、2年連続減少し、過去10年間との比較では9番目だった。一方、負債総額は前年度比36.3%減、過去10年間との比較で最少となった。原因別では、販売不振が103件(構成比58.86%)でトップ、不況型倒産は119件(構成比68.00%)であった。業種別では、建設業が63件でトップ、小売業31件、卸売業25件、製造業19件、サービス業他18件、農・林・漁・鉱業9件、不動産業7件、運輸業3件であった。倒産形態別では、法的倒産98件(破産88件、民事再生5件、特別清算5件)、銀行取引停止72件、内整理5件であった。負債10億円以上の倒産は9件(前年12件)であった。

《県別》件数、負債総額共に愛媛がトップ。香川は件数が半減となる

香川は、件数31件、前年度比50.8%減となり、減少率は4県中最大となった。一方負債総額は、67億2100万円で前年度比81.7%減となった。愛媛は87件で、4県中トップ、前年度比45.0%増。負債総額は195億4600万円で、前年度比148.7%の増となった。高知は、件数26件で前年度比31.6%の減となった。一方負債総額は30億3600万円で、前年度比46.8%の減少となった。徳島は件数31件で、前年度比29.2%増。負債総額は61億9200万円で、前年度比12.3%の増加だった。

《原因別》不況型倒産は、119件(構成比68.00%)で、前年度比8件の減少

件数は販売不振が103件(構成比58.86%)でトップ。次いで他社倒産の余波19件、過小資本、既往のシワ寄せ各16件、放漫経営15件、その他4件、信用性低下、設備投資過大各1件となった。負債総額は販売不振が197億6500万円でトップ、既往のシワ寄せ48億2500万円、他社倒産の余波35億700万円、放漫経営32億5000万円、過小資本18億2000万円、その他17億1400万円、設備投資過大4億円、信用性低下2億1400万円となった。

《業種別》建設業が63件でトップ

件数は、建設業が63件でトップ、以下小売業31件、卸売業25件、製造業19件、サービス業他18件、農・林・漁・鉱業9件、不動産業7件、運輸業3件となっている。前年度との比較では、製造業17件、運輸業4件、建設業3件、情報通信業1件と4業種で減少した。また農・林・漁・鉱業8件、不動産業4件、小売業2件、卸売業1件と4業種が増加。サービス業他、金融・保険業が同数であった。負債総額は建設業が89億4900万円でトップ、以下製造業68億円、卸売業64億1200万円、サービス業他58億2600万円、農・林・漁・鉱業34億3100万円、小売業21億5000万円、不動産業11億6300万円、運輸業7億6400万円となった。

《今後の見通し》

2010年度上半期の四国地区企業倒産は、件数は175件と2年連続前年度比で減少した。一方、負債総額も354億9500万円で3年連続で減少し、過去10年間との比較では最少となり、倒産の沈静化が鮮明となった。

業種別でみると、製造業(36件→19件)が17件の減少となっている点が目立つ。前年度はリーマンショック後の世界的な景気の後退を受けて全般に受注が減少したが、今年度は中国等新興国の需要増で経営環境が改善したことが倒産減少の要因とみられる。建設業(66件→63件)もわずかながら減少しているが、前政権の景気対策に伴う公共事業の前倒し発注が倒産抑制に貢献した格好だ。また、農・林・漁・鉱業(1件→9件)が大幅に増加しているが、卵価低迷により養鶏業の倒産が続発したことが影響した。卸売業(24件→25件)、小売業(29件→31件)、サービス業他(18件→18件)はほぼ横ばいで推移、デフレ経済下の消費不振を背景に大手との競争が深刻化しているなか、中小企業金融円滑化等政策効果で小康状態を保っているものと思われる。

原因別でみると、前年度と比べて格別特徴となるような変動は見当たらないが、景気が一段と厳しくなっている中にあって不況型倒産(127件→119件)は減少している。これは緊急保証制度の効果の他、09年12月施行の「中小企業等金融円滑化法」の利用により、銀行借入の返済猶予を実施する企業が続発したことが、倒産抑制に大きな役割を果たしているものと思われる。

上半期は輸出関連の回復、エコカー補助金・減税、エコポイント制度が景気の底上げに貢献したが、エコカー補助金は9月末で終了、さらにここにきて円高が進行しており、今後大手メーカーの値下げ要請圧力等地場中小企業の経営環境の悪化が懸念される。四国の基幹産業である建設業においても公共投資の減少が下半期本格化するとみられており、建設業の経営環境は厳しさを増すことは避けられない。

返済猶予を実施した企業は、金融機関と経営改善計画の協議を行っているが、今後の経過確認で金融機関が支援を見直すケースが増えることも想定され、下半期の倒産件数は徐々にだが増加を辿るものとみられる。

株式会社東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 竹 茂和

ページ先頭へ

ページトップへ戻る